君が思うより

ああ、どうするんだこの状況を。

目の前で俺の青い髪の天使は静かに寝息をたてている。

これは、チャンスじゃないのか?
いつもいつもいつも、俺が余裕なフリして迫っても、君は恥ずかしがってばかり。
そんなところも可愛いけれども。
君が俺のものだという、証が欲しいんだよ、ぼたん。

だから、こんなチャンスを逃すわけにはいかない。

キスくらい・・・いいかな?

ゆっくりと、顔と顔が近づいて・・・。

あと、5センチ。
あと、2センチ。

「・・・蔵、馬?」

目が覚めたことに気づいて、すぐに顔を離す。
どうやら俺の気配がしたから声を発しただけらしく、
目は開けていなかった。
・・・良かった。

「ぼたん?起きた?」

動揺を隠して話しかける。

「ああ、ごめんよ寝てしまって;」
「いいよ。」
「せっかく久々の休みだったのにい〜。」
「俺はぼたんの寝顔が見れただけで満足ですよ。」
「またそんなこと言って・・・。」

そう言ってゆっくり起き上がる。

白い指に、長い髪に、目が、離せなくなる。
触れてしまいたくなる。

――――・・・


ぼたん。
君は、知らないのだろう?

君が思うより
俺は君が好きで。

君が思うより
俺は男なんだよ?

いつまでも、そんなに無防備で。

それに耐えられるほど、出来た人間じゃない。


END


あとがき

無防備なぼたんちゃんとそれを見て理性と本能の間でもがき苦しむ蔵馬が好き(笑)
他の人の蔵ぼ小説を見るのは好きなのに、どうして自分が書くとこうなるんだ;
微妙にWaTの「5センチ。」入ってます。